かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

「Paperback Writer/ Rain」(1966年)


ビートルズ来日直前に発売されたのは、「Paperback Writer/ Rain」のシングルだった。これまでも、ビートルズはシングルやアルバムを発表するたびに変化していたが、このシングルも、いままでのビートルズのサウンドとは明らかに違っていた。


「Paperback Writer」では、ポールのベースが唸りをあげている。こういうベース・ギターの演奏を聴いたことがなかった。


しかし、それ以上にB面の「Rain」は、メロディもサウンドも奇妙だった。リード・ヴォーカルは、明らかにジョンの声だったが、いままでのジョンの声とは違ってシャウトというよりは、うめくような声だった。


そして、この曲の演奏の主役は、リンゴのドラムだった。縦横無尽に走るリンゴのドラムが小気味よかった。


その後、ビートルズの来日をはさんで、『リボルバー』が発売されると、「Rain」は、このアルバムの予告編であったことがわかった。


そして、振り返れば、ビートルズの来日より早く、このシングルの発表で、ビートルズの中期への変貌がはじまっていたのだった。


【注】日本公演以前に『リボルバー』が完成していたのだから、すでに中期へビートルズの音楽が突入していたのは当然だったのだけれど、日本公演で見たのは、それまでのアイドルのビートルズだったから、この変化に気づいたひとはほとんどなかった。


★プロモ映像は、複数ありますけど、こちらは演奏バージョンです。
Paperback Writer



Rain