かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

「冷戦下のソ連で30年間も隠蔽された民衆弾圧事件」の真相〜アンドレイ・コンチャロフスキー監督『親愛なる同志たちへ』を見にいく(4月13日)。


物価の高騰、賃金のカット。約5000人の市民が抗議に押しかけたが‥‥。




4月13日(水)晴れ。暑い。


この数日、夏のような暑さが続いている。昨年はなんとか動いてくれたエアコンをつけてみたが作動しない。大家さんに相談して、修理するか、買い替えなければ。


問題は、修理するにしても買い換えるにしても、ひとがはいれるように部屋を掃除しなければならないこと。


妻に連絡したら、今週の土曜日に掃除にいく、という。


ゴミ屋敷ほどではないが、まったくちがうともいいきれない(笑)。うまく片付くだろうか?



ロシア映画『親愛なる同志たちへ』(アンドレイ・コンチャロフスキー監督)を見に新宿へいく。劇場は、「新宿武蔵野館」。


「アルタ」の近くに喫茶「ルノアール」があったが、工事でなくなっている。ここが一番「新宿武蔵野館」に近かったのだが。


靖国通りまで歩いて、「新宿ピカデリー」の向かい側にある「ルノアール」までいく。


歳のせいか、アルコール依存症なのか、手がふるえる。セルフサービスのお店だと、席にコーヒーを運ぶ途中で、受け皿のなかにこぼしてしまうことがある。


だから、できるだけ席までコーヒーを運んできてくれるお店がいい。


篠田節子の『失われた岬』の続きを読む。読みはじめたときはどうなっていくのかおもしろかったが、なかなか話が進展しないので中だるみしている。もうやめようか、とおもい、他の本に気持ちを移しながら、未練がましくまた戻って読んでいる。




ロシアの巨匠アンドレイ・コンチャロフスキーが、冷戦下のソ連で30年間も隠蔽された民衆弾圧事件を題材に撮りあげた社会派サスペンス。


1962年6月1日、ソ連南部ノボチェルカッスクの機関車工場で大規模なストライキが発生した。フルシチョフ政権が目指した豊かな共産主義統治にも陰りが見え始め、生活に困窮した労働者たちが物価高騰や給与カットに抗議の意思を示したのだ。


危機感を抱いたフルシチョフ政権は、スト鎮静化と情報遮断のために現地へ高官を派遣。そして翌日、約5000人のデモ隊や市民に対して無差別に銃撃が行われる。



(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/93561/



www.youtube.com




物価が高騰する。なのに、労働者の賃金は大幅カット。


これでは生活できない、と約5000人の市民が、「ソ連南部ノボチェルカッスク」の市街へ押し寄せる。


その市民を、ソ連は無差別に銃撃した。


発砲したのは、軍ではなく、反体制派を取り締まるソ連の国家保安委員会(KGBだと、されている(映画の解釈だが、事実なんだろう)。


ノボチェルカッスク虐殺事件。死者数を少なくみせるために、多くの遺体は町の外に埋められ、放置された。


この事件は、1992年、ソ連が崩壊するまでの30年間、国家によって隠蔽されてきた、という。


ソ連の政策に忠実な主人公リューダは、市民への取り締まり強化を支持する立場にいたが、デモ隊のなかに、娘のスヴェッカがいて、行方不明になっていることを知る。


多数の死傷者のなかを、娘のスヴェッカをさがしていくなかで、リューダは、忠誠を誓った共産党国家の裏の顔に直面する。



モノクロ映像は、市民へ発砲する暴力装置としての国家の恐ろしさを、ドキュメンタリー映画のように冷徹に描いていく。


リューダも、自分の娘がデモ隊のなかにいて、行方不明になっていなければ、そのまま国家の政策に不信をもつこともなかったかもしれない。


韓国映画チャン・ジュナン監督『1987、ある闘いの真実』(2017年製作)のように、観客は無差別に銃撃される市民たちのなかに立ち会わされる。


このロシア映画は、2020年製作となっている。いま、ロシアで一般公開できるのだろうか?



帰り、立飲み「春田屋」へ寄る。いつもと同じ程度飲んだのに、お店を出るとかなり酔っていた。


体調が悪い。息苦しいので、何度か駅構内の柱にもたれかかって息を整える。


なんとかアパートへ帰ると、そのまま夜まで寝てしまった。