12月20日㈬。
「ポレポレ東中野」へ、山崎裕侍(やまざき・ゆうじ)監督のドキュメンタリー映画『ヤジと民主主義』を見にいく。
早めに着いたので、1階の喫茶室で、コーヒーを飲みながら、ブログで紹介されていた平野啓一郎著『空白を満たしなさい』を読む。上下巻あり、下巻に突入。まだ作品の展開が読めない。
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11時50分より、映画『ヤジと民主主義』はじまる。
2019年7月15日、安倍元首相の遊説中に政権批判の声を上げた市民を警察官が取り囲んで移動させた「ヤジ排除問題」を4年間にわたって追及したドキュメンタリー。
表現の自由と民主主義がおびやかされたとして、当時メディアで大きく報道されたヤジ排除問題。北海道放送が2020年に放送したドキュメンタリー番組「ヤジと民主主義」はギャラクシー賞や日本ジャーナリスト会議賞など数々の賞を受賞し、書籍化もされた。その後、排除された市民2人が原告として警察側を訴え、1審は勝訴したものの高裁では判断が分かれ、双方が上告し裁判は続いている。
(「映画.com」より)
https://eiga.com/movie/98869/
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ずらっと並ぶ「安倍総理を支持します」、「安倍総理がんばれ!」など、歓迎ムードのプラカード。
にこやかに笑う安倍晋三との「手のひらタッチ」によろこぶ聴衆の笑顔・笑顔・笑顔----。こんなに日本人は、権力を悪用する首相が好きだったか。
しかし、大杉雅栄(おおすぎ・まさえ)さんと桃井希生(ももい・きお)さんはちがった。
歓迎一色のなかで何も声をあげられなかったら、あとあと後悔するだろうとおもい、道路を挟む反対側から大杉雅栄さんは、「安倍やめろ!」の声をあげはじめる。すぐにSP(私服警官)に取り囲まれる。大杉さんは、声を上げ続けるが、次第に排除されていく。
大杉雅栄さん。
桃井希生さんもまた、べつなところで、「増税反対!」の声を発する。まもなくSPに腕をつかまれ、演説する安倍晋三から見えない場所へ連れていかれる。
桃井希生さん。
安倍総理に抗議するプラカードをかかげたひとたちもいたが、SPが見えないように、手で覆い隠す。「安倍総理を支持します!」のプラカードは一面に列をなしているのに、抗議のほうは妨害される。
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街宣の周囲には、3種類のひとたちがいた。
- 無邪気に権力者を歓迎する大勢のひとたちがいた。
- プラカードをかかげ、抗議する少数のひとたちがいた(声をあげたのは、大杉さんと桃井さんのふたりだったが‥‥)。
- 声をあげて引きずられていく大杉さんや桃井さんを冷ややかに見ている有象無象の群衆がいた。
「たとえ自分一人であっても抗議の声をあげる」
わたしは、大杉さんと桃井さんの、孤立を恐れない勇気ある行動に、胸が熱くなった。
表現の自由を妨害している‥‥北海道警察の過剰な取り締りを、大杉さんと桃井さんは、それぞれ札幌地裁に提訴した。
映画は、その経緯を、大杉さん、桃井さん、識者のインタビューで追っていく。
以前「ポレポレ東中野」で見た『NO 選挙,NO LIFE』もよかったが、今日見た『ヤジと民主主義』も感動した。ドキュメンタリー映画の当たり年かもしれない(あくまで個人的な感想です)。
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【追加映像】
異質なものは、「迷惑」「邪魔」といって排除される社会は、誰にとっても生きやすくない(青木理氏)=北海道放送の映像。
www.youtube.com
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夕方から、銀座周辺で、むかしの学生アルバイトのひとたちとの飲み会があるので、日比谷へ移動する。日比谷公園のベンチで、『空白を満たしなさい』の続きを読む。だんだん寒くなってきた。
午後4時半、takara夫妻、ヨッシー、トミボーと合流。近くの「サイゼリヤ」で、軽くビールを飲む。
午後6時、有楽町駅「交通会館」前で、さらにモチダくん、ウチコシくん、が合流。モチダくんが予約してくれた銀座1丁目の店に移動する。ここで歓迎会のような忘年会のような宴会をスタート。
今回は、takara夫妻が、カナダでやっていたパン屋さんを畳んで、もともとの家がある沖縄へもどる‥‥その前に、学生時代を過ごした東京を見て歩き、当時の仲間と会いたい、ということで集まったもの(わたしは、当時彼らがアルバイトしていた本屋さんに勤めていた)。
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わたしはこの日泥酔し、あろうことか、記憶を失った。トミボーに、タクシーでアパートまで送られる。朝起きると、顔と足の数カ所に擦り傷があった。