■名作『クラウド・ナイン』を聴きながら……
クルマのなかで、ジョージ・ハリスンが1987年に発表した『クラウド・ナイン』を聴きました。いま、聴いてもこのアルバムはすべての楽曲がよく、改めて感動しました。
○曲順は、以下のとおりです。
ジョージの声は、優しく潤いに満ちていて、シンガーとしての魅力を存分に発揮したアルバムです。
アルバム冒頭の「クラウド・ナイン」では、旧友エリック・クラプトンとのツイン・ギターを披露しています。3曲目の「フィッシュ・オン・ザ・サンド」は、軽快なロックですが、ジョージらしく、メロディ・ラインがとても美しい!
4曲目の「ジャスト・フォー・トゥディ」は、抜群のラヴ・バラード。しっとりしたジョージのヴォーカルがこのうえなく優しく響くナンバーです。
5曲目の「ディス・イズ・ラヴ」は、このアルバムのハイライトの1つだとおもいます。軽快なビートと自然に流れるようなメロディ、ジェフ・リンとのコーラスがすばらしい。
6曲目の「FAB」は、ズバリ若きビートルズ時代を回想したナンバー。「FAB」とは、「かっこいいやつら」を意味する言葉だそうで、若きビートルズを呼ぶときの別名でした。ジョージは、ビートルズっぽさを再現するために、ドラムにリンゴ・スターを呼びよせています。さすが、リンゴは期待にこたえ、ビートルズ中期を彷彿させる、懐かしいドラミングを聴かせてくれます。
<リンゴ恋しや、恋しやリンゴ!(笑)>。ジョージは、リンゴの人柄とドラムの腕前を、誰よりも終生高く評価し、愛し続けました。
8曲目の「サムプレイス・エルス」もジョージのスライド・ギターが美しい名作。このアルバムは、どれも棄てる曲がないのです。
ジョージは、その後トラベリング・ウィルベリーズという豪華なスター・バンドを結成したりして、一時的な音楽活動はしますが、生前のオリジナル作品としては、このアルバムを最後に、14年後の2001年、亡くなってしまいました。ジョージ・ハリスンの冥福を祈ります。
【注】:没後の2002年、遺作となる『ブレインウォッシュド』が発表されました。