かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

1964年に公開された映画「ポップ・ギア」

もし、不意にここへ訪れたあなたさまが、1964年のむかし、ビートルズやイギリスからやってきたビート・グループが好きな方だったら、映画「ポップ・ギア」のことは、ご存知ですよね。

でしたら、黙ってこちらのringoさんのブログ「リンゴ日記」をチェックしてみてください。ぼくらが、ビートルズを、アニマルズを、スペンサー・デイビス・グループを、そして初期のアイドル・グループだったハーマンズ・ハーミッツをはじめて見た日が蘇るはずです。

わたしはイギリスのビート・グループというような表現を使いましたけど、当時は一括して「リバプール・サウンド」という呼び方をしていました。懐かしいでしょ(笑)。しかし、ビートルズやピーター&ゴードンは、リバプールのグループですが、アニマルズやスペンサー・デイビス・グループはリバプールのグループではありませんでした。この映画には登場しませんが、もちろんローリング・ストーンズもデイブ・クラーク・ファイブもリバプール出身ではありません。

しかし、「それがどうした、おまえ!(笑)」、というほど高らかに、映画のパンフレットは「イギリス<リバプール・サウンド>が総出演」とうたっています。「リバプール・サウンド」は、当時ブリティッシュ・グループの代名詞そのものでした。ぼくら少年少女は、リバプールがイギリスのどこにあるかも知らなかったですしね。

映画の中で、ビートルズは特別出演です。これは、どこか別の会場でおこなったライヴ映像を映画のために使用したもので、新たな映像を期待していたぼくには、ちょっとがっかりでした。このライヴ映像は、中篇映画「これがビートルズだ!」にもすでに使用済みのものでしたから。

ビートルズ研究者は、容易にこのライヴ映像の年月日、会場名を特定できるとおもいますが、わかりましたら、ぜひコメント欄などで教えてください。ちなみに、映画のビートルズは、「ツイスト&シャウト」と「シー・ラヴズ・ユー」を演奏していた、とおもいます。

ピーター&ゴードンは、レノン=マッカートニー作品「愛なき世界」で大ヒットを飛ばしました。この映画の中でも、注目のスターです。ロックにアレンジされた強烈な「朝日のあたる家」をヒットさせたアニマルズも、この映画のハイライトですね。エリック・バードンの個性的な顔をはじめて見たのも「ポップ・ギア」でした。

その後ソロになってから、ぼくが好きになるスティーヴ・ウィンウッドの在籍したのがスペンサー・デイビス・グループ。しかし、ぼくは当時このスペンサー・デイビス・グループがまったく記憶にありませんでした。ですので、その後ビデオで再び「ポップ・ギア」を見るまで、スティーヴ・ウィンウッドを、すでにこの映画で見ていたことに、まったく気づいておりませんでした。

ピーター&ゴードンがビートルズの弟分とすれば、ビリー・J・クレイマー&ザ・ダコタスもそうでしょう。彼らは、レノン=マッカートニー作品の「バッド・トゥ・ミー」や「フロム・ア・ウィンドウ」などをプレゼントされています。ジョージ・ハリスンビートルズではボーカルをとっている「ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」も、そもそもは、ビートルズが彼らへプレゼントしたものでした。

しかし、その後ちっとも名前を聞くこともないグループもたくさん登場します。こういう有名・無名をいっしょくたに、テレビではなくて、映画でやってしまうのが凄いですね。当時のイギリスがビートルズとそれに続くグループにどれだけ期待を寄せていたか、ということもわかるのですが、、、

どういうものか、そのなかにマット・モンローのようなおじさん歌手も登場します。当時イギリスのフランク・シナトラといわれた本格的シンガーです。マット・モンローは、そのころ「007シリーズ ロシアより愛をこめて」の中の主題歌が大ヒットしていました。そのために、映画のバランスをこわしても登場させたのでしょうが、違和感は凄いです(笑)。

ringoさんが数枚にわたってアップしてくださったパンフレットが、映画の内容を思い出させてくれますよ。「バック・トゥ・ザ・1964」です。


【注】:「リンゴ日記」へは、こちらから跳んでください。


ringoさん、ありがとうございました。