熊本地震が起きて、ニュースの大半がそちらへ向き、報道でもあまり伝えられてないようだけれど、日本の「言論の自由」に不安を感じた国連調査団が来日していた。
もともとこの国連調査団は、昨年12月に日本へ来る予定だったが、日本側のドタキャンで延期され、今回の来日になった、という。
国連調査団は「民主主義の日本」をどうみたかを、「日刊ゲンダイ」が伝えている。
高市総務相も逃げた国連「表現の自由」特別報告者の舌峰
安倍政権にしたら「厄介者がやっと帰ってくれた」というところじゃないか――。日本における「表現の自由」を調査するため、国連人権理事会から“特別報告者”に任命されたデビッド・ケイ氏(47=米カリフォルニア大アーバイン校教授)が、1週間の滞在を終え、19日米国に帰国した。
(略)
ケイ氏は、19日帰国直前に外国特派員協会で会見。政府の“ドタキャン”の経緯について質問されると、こう説明した。
「昨年11月、日本の外務省から『予算編成作業があり十分な受け入れ態勢が取れない』と説明があった。本当の理由はそちら(日本のマスコミ)で政府に聞いて欲しい」
ケイ氏は特定秘密保護法、放送法、記者クラブ制度の弊害などにも言及。
「事前調査した上で来日したが、実際にジャーナリストや官僚にヒアリングして、日本メディアの独立性についてむしろ懸念が強まった。特定秘密保護法は秘密の範囲が広過ぎる。情報を制限するとしても、もっと透明性の高い形ですべきだ。記者クラブ制度は、調査ジャーナリズムとメディアの独立性を制限しようとしている」
ケイ氏の批判の矛先は安倍政権の閣僚にも向く。菅官房長官を名指しし、「自分の放送法の解釈に従わない番組があることを、オフレコ懇談で批判したと聞いた」と暴露。電波停止の可能性をチラつかせてテレビ局をドーカツしようとした高市総務相についても、「何度も会いたいと申し入れたが、国会会期中などを理由に断られた」と批判した。
■「日刊ゲンダイ」の記事全文↓
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/179838/1
■デビッド・ケイ氏の会見動画(同時翻訳付き)↓
http://www.videonews.com/press-club/160419-david-kaye/
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さらに日刊ゲンダイは、非営利のジャーナリスト組織「国境なき記者団」の「報道の自由度」ランキングで、2010年に日本は<11位>だったが、2015年は<61位>に下り、2016年は<72位>へ後退したとしている。
■2016年、報道の自由度ランキング
(カッコ内は前年順位)
01 フィンランド(1)
02 オランダ(4)
03 ノルウェー(2)
04 デンマーク(3)
05 ニュージーランド(6)
16 ドイツ(12)
18 カナダ(8)
38 英国(34)
41 米国(49)
45 フランス(38)
72 日本(61)
77 イタリア(73)
148 ロシア(152)
176 中国(176)
177 シリア(177)
178 トルクメニスタン(178)
179 北朝鮮(179)
180 エリトリア(180)
「朝日新聞」の記事から↓
http://www.asahi.com/articles/ASJ4N0SHDJ4MUHBI02M.html
朝日新聞のランキングには出ていないが、韓国は70位だ、という。