黒澤明監督『夢』の最後に出てくる「水車のある村」のロケ地。
8月12日、13日と一泊で、群馬県の嬬恋村というところへいく。車だから旅行というよりドライブか。
masaeさん(妻の姉)、kenちゃん(その長男)、yumiちゃん(妻の幼なじみ)、それに妻とわたし、の5人。運転は、往復kenちゃんがやってくれた。
初日は、ひさしぶりに懐古園を歩いたが、日差しが強くて暑い。
それが、嬬恋村の宿へ着く頃は、山道のなか、土砂降りの雨になった。
狭い山道のうえ、ワイパーの振りを全開にしても前が激しい雨でよく見えない。上から川のように大量の水が流れてくる。もはやkenちゃんの運転に、わたしたち同乗者は生死をゆだねる。
途中、車が道端の溝にはまっている。ジャフか何かの作業員が、ひどい雨のなか、救出にきていた。
しかし天候はころころ変わって、きょうの宿へ着く頃は、小降りになっていた。宿は、古めかしい日本旅館。ただ古いだけで、老舗旅館というわけではない(笑)。
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夜中には、音を立てて雨が降っていたが、朝になると、もうやんでいた。
朝早く宿を出て、「大王わさび農場」というところへ連れていってもらった。わたしだけは、はじめて。
またも炎天下で、暑い。
広い農場のなかを歩いていると、水車小屋がみつかった。それで、近づいてみると、黒澤明監督の『夢』のなかの一編、「水車のある村」のロケ地だという案内板があった。思いがけない出会いをよろこぶ。
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「水車のある村」は、こんな話。
水車のある村
私は旅先で、静かな川が流れる水車の村に着く。壊れた水車を直している老人に出会い、この村人たちが近代技術を拒み自然を大切にしていると説かれ、興味を惹かれる。
話を聞いている内に、今日は葬儀があるという。しかしそれは、華やかな祝祭としてとり行われると告げられる。
戸惑う私の耳に、賑やかな音色と謡が聞こえてくる。村人は嘆き悲しむ代わりに、良い人生を最後まで送ったことを喜び祝い、棺を取り囲んで笑顔で行進するのであった。
(ウィキペディアより)
笠智衆演じる100歳の老人が住む理想村の舞台がここだったのか、と写真に収める。観光客がおおいので、映画のなかのように静寂な空気とはいかないが。
youtubeに、ロケ地の風景を映した動画があった。
「夢-水車のある村」ロケ地
さらに「水車のある村」の動画がありましたが、日本語ではありません。ロケ地の風景がどのように使われているか、がわかります。水車の数が現地で見るより多いのですが、黒澤明監督が、映画のために増築したのでしょうか?
Sueños - Kurosawa 01
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このドライブ、宿も場所も行程の計画もひとまかせだったが、個人的には、『夢』のロケ地を見られたのが偶然の幸いだった。