かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

ジョージ・ハリスンの<泣き節>

リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド

リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド




ジョージ・ハリスンの<泣き節>は、いつからはじまったのだろう。あの裏返る声とスライド・ギターが、一時期にはジョージのトレードマークだった、という印象がある。


しかし、ビートルズ時代には、あまりジョージの声が裏返ることはなかったし、バラードでも声域を制限して、優しい声でゆったり歌っていた。


思い当たるのは、アルバム『レット・イット・ビー』(1970年)のなかで、最後に録音された「アイ・ミー・マイン」くらいだろうか。



その後、ソロになって発表された『オール・シングス・マスト・パス』(1970年)は、美しい曲はたくさんあるけど、<泣き節>はない。


ところが、次の『リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』(1973年)で、突然ジョージの<泣き節>がはじまったので、当時はその非力なイメージに当惑したのだが・・・しかし、癒されもした。元気な声で励まされるよりも、ジョージの<泣き節>をしんみり聴いて、心を癒された時代が、ぼくには、ずっとあった。


例えば、こんな曲だ・・・。




もうひとつ、、、




この<泣き節>の時代は、『ダークホース』(1974年)、『ジョージ・ハリスン帝国』(1975年)と続いて、終わる。


ジョージのなかに何があったのだろうか、と、その頃ひとりで考えたものだった。