前日ネットで予約、新宿武蔵野館で午前10時からの映画、講談師・旭堂南湖の『難波戦記−真田幸村 紅蓮の猛将』を見る。ところが、早起きして川越から出てきたせいか、睡魔におそわれて内容にはいりこめない。
「大阪冬の陣」、「大阪夏の陣」、真田幸村と徳川家康の知略をかけた戦い・・・興味ある話なのに、最後まで睡魔が立ち去ってくれない。映画が終わっても、見たような気がしなかった。
で、同じ新宿武蔵野館で、予定にはなかった深田晃司監督の『さよなら』を見ることにして、その場でチケットを買う。12時15分の時間まで紀伊国屋書店を回って、何も買わずもどる。
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原子力発電所の爆発事故で、放射能が日本中を覆い、住むことができなくなる。日本人は、大量の難民になる。番号(マイ・ナンバー?)の抽選で、順番に割り当てられた外国へ移住することになる。が、抽選といっても実際は公平ではないらしく、有力な地位を占めるひとやお金もちの家族が優先的に日本を脱出していることが暗示されている。外国人や犯罪歴のあるひとたちは、いちばんあとに回って、なかなか順番がこない。放射能の汚染が残されたひとたちを蝕んでいく。
それを極私的に、ひとりの外国人女性とアンドロイドの関係に焦点をあてて描いていく。主人公の周囲はだんだんひとが少なくなる。恋人も移住し彼女の前から去っていく。犯罪歴のある仲の良い隣人の女性は、自殺してしまう。
最後に残されたのは、主人公の女性と彼女の小さなころからヘルパーとしていっしょに暮らしているアンドロイドだけ。
原子力発電所がテロや自然災害で爆発し、日本中が放射能に汚染されて住めなくなる、というのは現実に起こりうる未来図かもしれない。しかし、この映画はそういう原発推進政策への警告、というような思想性は前面には出てこなくて、残されてしまった主人公の孤独と悲しみが静かなタッチで描かれていく。
公式ホームページ↓
http://sayonara-movie.com/