姉の家に泊まった妻と池袋で待ち合わせ、新宿へ。11時から新宿中村屋でお昼。定番のインドカリーを食べながらビール2杯。3階のギャラリーで「中村不折展」をやっていたので見る。
13時30分から「反応工程」を見る。演劇は未体験に近いので、たのしみでもあり不安でもあったが、おもしろく見られた。
軍需工場の一室が舞台で、その部屋にいろいろなひとが出入りして、話がすすんでいく。映画でも、こういう場所が限定されてストーリーが展開するものは好きなので、ワン・セットという濃密な空間でのドラマは、興味をそそられた。
徴兵、書物の検閲など、不自由な戦時下の様子が描かれる。もちろん、劇団俳優座は、安倍政権の現在と重ねて、わたしたちに何かを感じてもらいたい、ということだろう。安倍政権を支持すれば、戦争は過去のものではなくなる。メディアへの統制はすでにはじまり、戦争法案は強引に可決され、こんどの選挙では個人の尊重を剥ぎとる「新憲法草案」の成立を目論んでいる。
むかしは遠いものとおもっていた戦争の影がひたひた近づいてくる。恐ろしい。
「劇団俳優座」の公式サイト↓
http://www.haiyuza.net
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川越へ向かう車内で、川本三郎氏の『ひとり居の記』を読む。奥さんを亡くしてから、ますますひとり旅にのめりこむ川本三郎さんのここ数年間の近況が綴られている。川本さんは、映画のロケ地、小説の舞台によく足を運ぶ。その地をたずねて作品に思いをはせる。ひとり旅にはさびしさがつきまとうけれど、川本さんのひとり旅は精神的にとても贅沢。読むことで、すこしだけその贅沢を分けてもらう。
- 作者: 川本三郎
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2015/12/28
- メディア: 単行本
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