かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

小津安二郎監督『麦秋』(1951年)

また見てしまった(笑)。 tougyouさんやjinkan_mizuhoさんと、映画がはじまって10分くらいしたところで、“原節子がブラインド・タッチをしている”というのが話題になって、それをネットで確認していたら、全編が見たくなった。けど、ネットで公開している『…

想い出の『ビートルズ・フォー・セイル』

このアルバムは、ビートルズの過渡期的な作品集という評価が一般的なようですけど、ぼくは大好きな1枚です。カバーが何曲、オリジナルが何曲、というのはあとになって話題になったことで、当時はどれもこれも、出来たてホヤホヤのビートルズの新曲であること…

成瀬巳喜男の映画から再発見する消失した<昭和>

■片岡義男著『映画の中の昭和30年代〜成瀬巳喜男が描いたあの時代と生活』 片岡義男は、映画の中に立ち入って、登場する人物と、その背景にある<昭和>の生活風景を探索しています。 成瀬巳喜男の映画は、ほぼその製作された年代と作品のなかの時代が一致し…

1963年のビートルズ映像!

■『The Beatles come to town』 最古のビートルズ映画がこれです。1964年、東京では、リバプール・サウンドがまとめて登場するイギリス映画『ポップ・ギア』と併映で、公開されました。10分程度の短編記録映画です。 すでに『ビートルズがやってくるヤア!ヤ…

千葉伸夫著『伝説の女優原節子』

原節子のことは、知っているようでいて、細かなことは知りませんでした。先日同じ著者の『評伝山中貞雄』を読んでおもしろかったので、続いて読んでみました。 千葉伸夫の伝記がおもしろいのは、当時の資料を丹念に調べ、それを吟味・選択して、豊富に引用す…

川島雄三監督『幕末太陽伝』(1957年)

今回改めて見て、落語ネタがふんだんに使われていることに気づきました。 居残り佐平次 品川心中 三枚起請 などは、ほぼそのまま。 さらに落語に登場する遊び人の若旦那は、「唐茄子屋政談」、「船徳」などでも、「徳さん」と相場が決まっているようでが、こ…

相米慎二監督『お引越し』(1993年)

両親の離婚で傷つく11歳の少女を描いた作品。琵琶湖畔のお祭りで、両親が仲良かったころの幻視を見る映像は、『夏の庭』の少年たちが見る、井戸の中を飛ぶ蛍のシーンを連想させます。 少女の心を繊細に描くといっても容易ではないとおもいますが、子役の田畑…

マイク・バインダー監督『再会の街で』(2007年)

製作国:アメリカ 出演:アダム・サンドラー、ドン・チードル、リヴ・タイラー 大学時代のルームメイト、9.11で愛する家族を失ったチャーリーと、成功したが悩みを抱える歯科医アランが、偶然NYの街で再会した……。再び友情を育む中で、人生への普遍的な問…

ジョン・カーニー監督『ダブリンの街角で』2006年)

製作国:アイルランド 脚本:ジョン・カーニー 出演:グレン・ハンサード、マルケタ・イルグロヴァ “ケルト音楽”の地、アイルランドのダブリンの街で出会った、ストリート・ミュージシャンと、楽器店でピアノを弾くのを楽しみにするチェコ移民の女性との、心…

両国を散歩する(5月8日)

仕事明け、両国を散歩する。竹橋へいくDさんのクルマに乗せてもらい、浅草橋で降ろしてもらった。 浅草橋から柳橋へ向かって歩く。柳橋は、むかしは色町、芸者町として有名だったが、いまその面影はない。 柳橋という名前の橋があった。 ★柳橋 ★柳橋周辺 両…

京成中山駅の法華経寺を歩く(4月25日)

以前市川を案内してくれたDさんから、今回は京成中山駅に近い法華経寺を案内してもらう。 京成中山駅でDさんと待ち合わせたが、こちらが先に着いて時間があったので、先に寺の参道を歩き始めた。駅から、商店街の中を参道が長く続いている。 古い山門を眺め…

京成佐倉を散歩(4月15日)〜再掲載

季節がよくなると、休日は外へ出ていることがおおく、なかなかパソコンにじっくり向かっているゆとりがありません。それで、散歩の記録、読んだ本や見た映画の感想も、ついついブログに書くタイミングを損なってしまうことがおおくなりました。で、これは落…

織田作之助プラス川島雄三

『わが町』(1956年) 原作:織田作之助 監督:川島雄三 脚色:八住利雄 出演:辰巳柳太郎、南田洋子、殿山泰司、北林谷栄 『還ってきた男』(1944年) 原作:織田作之助 監督:川島雄三 脚色:織田作之助 出演:佐野周二、田中絹代、笠智衆 どちらもringoさ…

4人の丹下左膳参上!!

このところ4本の丹下左膳映画をみました。 年代順に並べると、、、 山中貞雄監督『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』(1935年) 脚本:三村伸太郎 出演:大河内伝次郎、喜代三 松田定次監督『丹下左膳』(1952年) 脚本:菊島隆三、成沢昌茂 出演:阪東妻三郎、淡島…

藤野千夜『ルート225』

藤野千夜(ふじのちよ)はおもしろい! 映画『ルート225』を見て、この映画の原作を読んでみました。この作家、会話のうまさが、抜群です。 里見弴の会話の絶妙さを、ぼくは同じ日のブログに書いていますが、藤野千夜はそれに負けておりません。話し手の…

里見弴を読み返して

このところ里見弴の『今年竹』(上下)と『極楽とんぼ』を読み返していました。 『極楽とんぼ』は、里見版「好色一代男」です。 主人公・周三郎をとりまく環境などに、いまから見ると古く感じられるところがなくもありませんが、「女が好きで大好きで、まさ…

千葉伸夫『評伝山中貞雄』

tougyouさんの紹介で、少し前に読みました。 山中貞雄の映画は見ていても、その生涯のことは何も知りません。この1冊で、いろいろなことを知りました。 29年に満たない短い生涯ですが、自身では26本の時代劇を監督したようですね。 ところが、現存している…

トム・ヘインズ監督『アイム・ノット・ゼア』(上映中)

わたしも見てきました。全体の感想としてはringoさんと変わりません。 制作者がボブ・ディランの多面性を6人の俳優に分割しようとした意図はわからなくはありませんけど、意図だけに終わっているようです。ひとりの俳優(ケイト・ブランシェット)をのぞいて…