かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

山田太一脚本『今朝の秋』(1987年)

脚本:山田太一 演出:深町幸男 出演:笠智衆、杉村春子、杉浦直樹、倍賞美津子、樹木希林 ★Youtubeで見ましたが、小さな画面でも、このドラマのよさは、しっかりと伝わってきました。 映画は、ある程度の作品であれば、遅かれ早かれもう一度見れるチャンス…

いま見たい映画。

是枝裕和監督の『空気人形』が土曜日から公開されたのですね。時間をつくって見にいかなくちゃ。1本1本つくるたびに映画の内容がかわっていくので、今回はどうなっているのか楽しみです。

根岸吉太郎監督『禅/ZEN』の<あるがままに>と坂口安吾「堕落論」

根岸吉太郎監督の『禅』を見ましたが、感想を書いている時間がないので、気になったことを1つ。 tougyouさん、この映画のなかで「あるがままに」という道元の思想が出てきますね。ぼくは道元のことを何も知らないので、教えていただきたいのですが、これは…

坂口安吾の「堕落論」は堕落者が書いた世迷いごとではない。

戦後になって、人は闇米を食べなければ食っていけず、外人相手にからだを売らなければ生活を維持できない女性もあった。夫を戦争で亡くした若い未亡人も、このまま老いていくわけにはいかない、新しい出会いと恋もあった。しかし、戦後のそうした世相とはお…

ブライアン・フェリー、ボブ・ディランを歌う!

コッケイなくらいダンディズムを強調するブライアン・フェリーと、無骨で(笑)、自然体シンガーにみえるボブ・ディランは、対極にあるようにみえる。 ところが、ディランがフェリーをどうおもっているかわからないにしても、フェリーは、ボブ・ディラン熱烈…

太宰治「ヴィヨンの妻」を読む

久しぶりに太宰の戦後の作品を読み返しました。10月からこの作品の映画化が公開されるというので、予習するようなつもりで読んでみました。 ★ 「ヴィヨンの妻」は、昭和22年に発表された、戦後の混沌とした世相を背景に、放蕩無頼の夫と、献身的な妻の<ふし…

魅惑のシャーデー「バイ・ユア・サイド」

なんて甘美な曲だろう。ラジオで聴くなり魅せられてしまった。じつは、シャーデーのことは何も知らない。以前、この曲が聴きたくて、このアルバムを買った・・・ ●「バイ・ユア・サイド」

中川信夫監督『憲兵と幽霊』(1958年)

戦争中内地と大陸にまたがって憲兵隊内で行われたスパイと謀殺事件をテーマとした物語。石川義寛の脚本を、「亡霊怪猫屋敷」のコンビ中川信夫が監督、西本正が撮影した。「絶海の裸女」の中山昭二、久保菜穂子、「人喰海女」の三原葉子、万里昌代、「坊ぼん…

吉村公三郎監督『地上』(1957年)

大正初期の作家島田清次郎の同名小説を原作に「美徳のよろめき」の新藤兼人が脚色、「夜の蝶」の吉村公三郎が監督した文芸篇。撮影は「地獄花」の中川芳久。主演は「くちづけ(1957)」のコンビ川口浩と野添ひとみ、「太夫さんより 女体は哀しく」の田中絹代、…

シルヴァー・ウィーク3日目(9月21日)

シルヴァー・ウィークの休日は、土曜日と日曜日の2日間で終わり。 月曜日は、夜から仕事を再開する。極貧の個人事業者は、働かなければ収入がないので、何日も連休をとっていられない。 ★ 朝、仕事に出かける家人に川越駅で降ろしてもらう。 東武東上線で下…

シルヴァー・ウィークの日記

■9月19日(土) 極貧荘から、午前8時46分のバスで赤羽の立呑み「いこい」へ。仕事で時間がなくても、ここへはなんとか時間をつくって足を運んでいる。映画よりも散歩よりも、選ぶのはお酒なのだろうか(笑)。 9時10分に着く。焼酎ハイボールを3杯ほど飲んで…

塚本晋也監督『ヴィタール』(2004年)

交通事故ですべての記憶をなくした医学生が解剖実習にのめり込み、現実と記憶、肉体と魂の狭間を彷徨う映像叙事詩。監督・脚本・プロデューサー・撮影監督・美術・編集は「六月の蛇」の塚本晋也。音楽は塚本作品のほとんど(『ヒルコ/妖怪ハンター』をのぞく)…

塚本晋也監督『六月の蛇』(2002年)

青みがかったモノクロームの画面と、雨垂れの音に引き込まれる。 神足裕司演ずる潔癖性の夫、黒沢あすか演ずる妻、ストーカー男(塚本晋也)の三人の織り成す愛の物語。 とても美しい映画でした。 (「関心空間」より) まさにその通りの強い磁力を持った映…

ブライアン・ウィルソンの『PET SOUNDS』とポール・マッカートニーのこと

ブライアン・ウィルソンが作曲したなかで、ぼくが、もっとも好きな曲の1つが「God Only Knows」だ。60年代にはビーチボーイズに関心がなかったので、この曲をちゃんと聴いたのは、ずっとあとになってしまった。 いまは、クルマのなかでビーチボーイズやブラ…

田中光敏監督『火天の城』(上映中)

織田信長の威容を天下に示す、壮大な安土城を築いた総棟梁・岡部又右衛門(西田敏行)の苦労と知恵を描く。 格上ともいえる名工たちのなかで、信長がなぜあえて彼を総棟梁に指名したか、そしてどのような知恵と苦心で、あの安土城が築城されたか? これが映…

ビートルズの音楽に絶大な成果をもたらしたジョンとポールの才能開花のズレについて(tougyouさんへのコメントに代えて)

むかしメーリングリスト「ビートルズ探検隊」で、Blackbirdさんというメンバーと意見交換した話を書かせていただきます。 【注】tougyouさんのブログは、こちらです。 ★ tougyouさん、「イン・マイ・ライフ」は、静かでとても味わい深い曲ですね。ぼくはビー…

成瀬巳喜男監督『白い野獣』(1950年)

「白百合寮」は、戦後からだで商売をしてきた女性たちを更生させるための施設。 戦後の傷を背負った女性たちが更生を願いながらミシンを学び、社会復帰を待っているが、新しく寮へはいってきた啓子(三浦光子)は、自分のやってきたことを悪いとはおもってい…

もう絶版?!

西川美和の小説「きのうの神様」を、図書館に随分前に予約してましたが、いま調べたら順番待ちが55番目。これではいつになるかわからないので、「セブン・アンド・アイ」で購入しようと検索しておどろきました。なんと信じられないことに「絶版もしくは重版…

カメラマン宮川一夫の特集番組

tougyouさんやringoさんが話題にしていた<宮川一夫の特集番組>を見ることができました。ぼくは映画が好きでも、あまり製作の内部にまで関心を持って見ている方ではないので、カメラマンがどんな役割を果たしているのかまで、これまで特別な注意を払って見…

塚本晋也監督『鉄男』(1989年)

伝説の塚本晋也世界同時デビュー作!カルト・エンタテインメント・ムービー[鉄男]。肉体を侵食する金属との壮絶な戦いを、悪夢的映像で描き、世界中を圧倒したサイバーパンクな黙示録。 (「SHINYA TSUKAMOTO」) どこかで見かけた映画評への好奇心からレン…

ダーネル・マーティン監督『キャデラック・レコード 〜音楽でアメリカを変えた人々の物語〜』(上映中)

60歳になって一番の楽しみは「シニア割引」で、いつでも1000円で映画を見られることでしたが、なかなか時間がなくて、行きそびれていました。 それで『キャデラック・レコード 〜音楽でアメリカを変えた人々の物語〜』が、「シニア割引」適用の記念すべき最…