かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

日向寺太郎監督『誰がために』(2005年)

出演:浅野忠信、エリカ、池脇千鶴 写真館を継いだ民郎(浅野忠信)は、幼なじみが連れてきた、友人亜弥子(エリカ)と恋に落ちる。二人には、寂しさで惹かれあうものがあった。 亜弥子は妊娠し、幸せな日常がはじまったが、たまたま街で彼女を見かけた少年…

新藤兼人監督『縮図』(1953年)

製作:吉村公三郎 原作:徳田秋声 脚本:新藤兼人 出演:乙羽信子、宇野重吉、殿山泰司、北林谷栄 佃島(東京都中央区)に住む貧しい靴職人の長女・銀子(乙羽信子)が、家族のために、芸者となって、結局は薄情で、芸者を慰みものとしてしかおもわない男た…

ザ・フーがやってくる!

2004年、念願の初来日がやっとかなったザ・フーが、再びやってくる。前回は、サマー・フェスティバルで、何組かの出演者の一組でしたが、今回ははじめての単独来日です。 日本では、ビートルズやローリング・ストーンズに較べて人気がもうひとつ、といわれて…

名曲「虹の彼方に」の競演〜エリック・クラプトン、ジェフ・ベック

2001年エリック・クラプトン(日本武道館)が、メンバー紹介のあと、突然歌いはじめたのが「虹の彼方に」でした。ブルース・ギタリストの意外な選曲におどろきながら聴き入りました。 それから数年後(ちょっと年を忘れましたが会場は国際フォーラムでした)…

成瀬巳喜男の経済感覚(tougyouさんのコメントから)

成瀬巳喜男の映画では、登場人物ひとりひとりが常に厳しい経済感覚を背景に描かれています。お金をどう都合して生きるか、が成瀬巳喜男作品の最大の課題ででもあるかのようです。 以前、成瀬巳喜男映画の理解者であるringoさんから、、、 「成瀬作品を見てい…

成瀬巳喜男監督『あらくれ』(1957年)

原作:徳田秋声 脚色:水木洋子 撮影:玉井正夫 美術:河東安英 気丈な女性・お島(高峰秀子)が、頼りない男性たちのあいだで翻弄されながらも、持ち前の元気さで、困難を切り拓いていく。 頼りない男は、、、 上原謙 森雅之 加東大介 三人三様にふがいない…

ロキシー・ミュージック『アヴァロン』(1982年)

ロキシー・ミュージック最後のアルバムは、『アヴァロン』。ここでは、グループの革新性よりも、ブライアン・フェリーの好む耽美的なサウンドが追及されていました。 ブライアン・フェリーの耽美主義は、ソロになっても続きます。 ★★★ タイトル・ソング「ア…

成瀬巳喜男監督『鰯雲』(1958年)

原作:和田伝 脚色:橋本忍 撮影:玉井正夫 美術:中古智、園真 出演:淡島千景、木村功、中村鴈治郎、小林圭樹、司葉子 厚木あたりの農村を舞台にした、ある農家のものがたり。 厚木に赴任している新聞記者・大川(木村功)と、取材先で訪れた農家の未亡人…

ベルナルド・ベルトルッチ監督『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972年)

[rakuten:cinemacollection:10015822:image] 製作:イタリア 出演:マーロン・ブランド、マリア・シュナイダー アパートメント探しのさなか、若い女(マリア・シュナイダー)と中年の男(マーロン・ブランド)が、ある一室で、知り合う。 中年の男は、半ば強…

成瀬巳喜男が志賀直哉を撮っていたら?

ringoさんから、成瀬巳喜男についていろいろなひとがインタビューに答えているDVDを借りて見ました。成瀬巳喜男の奥さん、美術監督の中古智(ちゅうこ・さとる)さん、映画評論家の白井佳夫さんなど。それぞれにおもしろい話を聞くことができました。 その特…

テレビの永井荷風特集、第2回を見ました

tougyouさんに教えていただいて、第2回を録画で見ることができました。 戦時下のなかで、稀代のひねくれ者・永井荷風が、一億一心、国中が戦争に狂っていく時代を、どのように見、考えていたか、というようなことが今回のテーマ。 永井荷風のような筋金いり…

スティーブン・フリアーズ監督『がんばれ、リアム』(2000年)

時代は、1930年代のイギリス・リバプール。いまさら強調するまでもありませんが、あのビートルズが誕生したリバプールですね。なんて厳しく貧しい街で、ビートルズは生まれたんだろう? それはともかく(笑)…… ★★★ 映画のなかに出てくる家族は、極度に貧し…

『ラバー・ソウル』(1965年)の頃

1965年といえば、ぼくのビートルズ熱は最高潮に達していました。そんななかで『ラバー・ソウル』は、『HELP!』の次に発売されたアルバムでした。 はじめて聴いて、ビートルズの音作りが精密になったな、とはおもいましたが、それは前作『HELP!』でもそうで…

アキ・カウリスマキ監督『街のあかり』(2006年)

製作国:フィンランド、ドイツ、フランス 脚本:アキ・カウリスマキ 出演:ヤンネ・フーティアイネン、マリア・ヤンヴェンヘルミ、カティ・オウティネン、マリア・ヘイスカネン、イルッカ・コイヴラ 人との交流を持たない、無表情の警備員が、謎の美女と知り…

少しお盆休みをいたします

休日を帰省して過ごしたりしているので、パソコンに向かう時間がありません。みなさんのブログを拝見することも、ブログを更新することもできません。 1週間ほどで復帰できるとおもいます。いただいたコメントの御返事も遅れますが、よろしくお願いいたしま…

ダイアー・ストレイツ〜永遠の「悲しきサルタン」

[rakuten:guruguru2:10275636:image] この曲の哀切な響きはいつ聴いてもいいですね。このところ、またダイアー・ストレイツのベストをクルマのなかで聴いています。 ダイアー・ストレイツのサウンドを決定しているのは、ギタリスト兼ヴォーカリストであるマ…

山本薩夫『続忍びの者』(1963年)

製作・原作・脚色は上に同じ 出演:市川雷蔵、藤村志保、若山富三郎、東野英治郎 織田信長の一向一揆撲滅作戦のなかで、石川五右衛門はマキとのあいだに生まれた子供を殺される。信長の部下に、物でも棄てるように、あっさりと火の中に投じられたのだ。 五右…

山本薩夫監督『忍びの者』(1962年)

製作:永田雅一 原作:村上知義 脚色:高岩肇 出演:市川雷蔵、伊藤雄之助、藤村志保、若山富三郎 石川五右衛門(市川雷蔵)は、伊賀の首領、百地三太夫(伊藤雄之助)のもとで忍者の修行をしているが、三太夫の妻(岸田今日子)と密通したことが露見し、三…

山田洋次監督『母べえ』(2007年)

原作:野上照代 脚本:山田洋次 出演:吉永小百合、浅野忠信、壇れい、坂東三津五郎 吉永小百合は、<吉永小百合>しか演じられない。さらに『母べえ』といういかにものヒューマン・タイトル。で、見るのをためらっていました。 DVDになって、期待もしないで…

テリー・ジョージ監督『帰らない日々』(上映中)

製作国:アメリカ 出演:ホアキン・フェニックス、マーク・ラファロ、ジェニファー・コネリー、ミラ・ソルヴィノ、エル・ファニング、ショーン・カーリー テリー・ジョージとは、あの『ホテル・ルワンダ』の監督です。『ホテル・ルワンダ』の監督なら、つま…

アキ・カウリスマキ監督『過去のない男』(2002年)

製作国:フィンランド 脚本:アキ・カウリスマキ 出演:マルク・ペルトラ、カティ・オウティネン ringoさんからお借りした『浮き雲』と同じDVDに収録されていました。やっぱりこの監督おもしろいです。そして、ここでもフィンランドの生活の貧しさがかなり強…

アキ・カウリスマキ監督『浮き雲』(1996年)

製作国:フィンランド 脚本:アキ・カウリスマキ 出演:カティ・オウティネン、カリ・ヴァーナネン 失職した夫婦が苦節の末、希望を見いだすまでを、簡潔ながら豊かなタッチで描いた一編。監督・製作・脚本・編集は、「マッチ工場の少女」「愛しのタチアナ」…

成瀬巳喜男監督『妻の心』(1956年)

製作:藤本真澄、金子正且 脚本:井手俊郎 撮影:玉井正夫 美術:中古智 出演:高峰秀子、小林圭樹、千秋実、三船敏郎 ★★★ 【あらすじ】 信二・喜代子(小林圭樹・高峰秀子)の経営する老舗の薬屋は、経営がおもわしくない。信二は、敷地に軽食のとれる喫茶…

野上照代『天気待ち〜監督黒澤明とともに』

先日読んだ『蜥蜴の尻っぽ』には、「これはもう『天気待ち』で書いたことなのではぶきますが」というところが何箇所もあって、順序としてはこっちを先に読まなければならなかったことに気づきました。 野上照代は、『羅生門』からあと、ずっと黒澤明の撮影現…