かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

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蜷川実花監督『ヘルター・スケルター』(きょうから公開)

きょうから公開になる映画では、この作品と山下敦弘監督『苦役列車』を見たい、とおもっていましたが、『苦役列車』の方は近くの映画館でやってないので、先に『ヘルター・スケルター』を見てきました。 蜷川実花(にながわ・みか)監督は以前『さくらん』を…

山田五十鈴の清楚な美しさにおどろく〜成瀬巳喜男監督『鶴八鶴次郎』(1938年)

時は大正。三味線弾の鶴八と太夫の鶴次郎の新内語りの二人組みは、二十代にもかかわらず秀でた芸で人気を広めていた。二人は、恋人どうしの様に仲が良い。しかし、芸の話になると互いに一歩も譲らず大喧嘩を始めては仲直りを繰り返して…。(作品資料より) …

10代の山田五十鈴の美しさ〜溝口健二監督『折鶴お千』(1935年)・・・(2007年8月28日の日記より転載)

原作:泉鏡花 撮影:三木稔 出演:山田五十鈴、夏川大二郎 活弁士:澤登翠 豪雨で汽車の止まったホームで待つ男、そして待合室で待つ女、彼らは神田明神を見つめながら昔のことを思い出す。その男、秦宗吉は田舎から出てきたが絶望し、自殺しようとしていた…

山下敦弘監督の次回作品は、西村賢太原作『苦役列車』

苦役列車 (新潮文庫)作者: 西村賢太出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/04/19メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 85回この商品を含むブログ (51件) を見る 山下敦弘(やました・のぶひろ)監督の『マイ・バック・ページ』の次の作品は、西村賢太原作の『苦…

三池崇史監督『愛と誠』(公開中)

原作も読んだことがなく、題材には興味がなかったのですが、主演が妻夫木聡(つまぶき・さとし)であること、武井咲(たけい・えみ)の美しい姿を一度大きなスクリーンで見たいとおもったこと、そして、予告編のバカバカしさが異常におもしろそうにみえたこ…

池袋新文芸座『生誕百年 快剣士 大友龍太朗映画祭』

小学生のころ、東映時代劇(というよりチャンバラ)映画のファンだったので、懐かしくなって、ひさしぶり池袋の新文芸座へ4日間通う。 1日2本立てで、見た8本は、 加藤泰監督『丹下左膳 乾雲乾雲坤竜の巻』(1962年) 長谷川安人監督『集団奉行所破り』(196…

映画『映画館落語 かもめ亭』(公開中)

落語はCD専門でなかなか寄席へいく機会がないまますぎている。映画館で落語を見られるなら、うれしい。 演目は、三遊亭小遊三「蛙茶番」、ぺぺ桜井「ギター漫談」、桂歌丸「ねずみ」の3題。それぞれはおもしろかったが、全体にはものたりない気もした。 今…

五社英雄監督『三匹の侍』(1964年)

三匹の侍 [DVD]出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ発売日: 2003/03/21メディア: DVD購入: 1人 クリック: 34回この商品を含むブログ (10件) を見る むかし熱心に見たテレビドラマのシリーズで、ツタヤの棚で発見し、懐かしくなって借りる。 しかし、これはテ…

ジョン・キャメロン・ミッチェル監督『ラビット・ホール』(2011年)

ラビット・ホール [DVD]出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2012/04/06メディア: DVD クリック: 3回この商品を含むブログ (7件) を見る 愛するものを失った悲しみ。それが愛する自分の子だったら、その喪失感は限りなく大きいだろう。本作はそんな夫婦の物語…

池袋新文芸坐の2本立て(5月25日)

その日、時間があいたので池袋の新文芸坐へはいる。上映していたのは、須川栄三監督『野獣狩り』(1973年)と西村潔監督『死ぬにはまだ早い』(1969年)の2本。 ★ 野獣死すべし 復讐のメカニック [DVD]出版社/メーカー: 東宝発売日: 2006/07/28メディア: DVD…

成島出監督『八日目の蝉』(2011年)

八日目の蝉 通常版 [DVD]出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント発売日: 2011/10/28メディア: DVD購入: 1人 クリック: 145回この商品を含むブログ (117件) を見る 公開されたとき見て、強い感動を受けた。今回は、DVDをレンタルしての2度目…

荻上直子監督『レンタネコ』(公開中)

「テアトル新宿」で見る。 ゆったりとしたテンポは、これまでの荻上直子作品と同じ。『かもめ食堂』からずっと荻上監督の映画を見ているけれど、一番清冽な印象を受けたのは、やっぱり『かもめ食堂』で、あとは、少しずつ新鮮さが薄れてくる。 『レンタネコ…

大林宣彦監督『理由』(2004年)

理由 特別版 [DVD]出版社/メーカー: 角川エンタテインメント発売日: 2005/04/28メディア: DVD購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (121件) を見る 荒川区の高級マンションで、4人の死体が発見される。1人は転落死で、残りは何者かに殺されたようで…

壇れい主演のドラマ『八日目の蝉』

八日目の蝉 DVD-BOX出版社/メーカー: NHKエンタープライズ発売日: 2010/09/24メディア: DVD購入: 1人 クリック: 153回この商品を含むブログ (12件) を見る 映画、原作とどちらもおもしろかったので、テレビ版『八日目の蝉』のDVD3巻をまとめてレンタルす…

新藤兼人監督『生きたい』(1999年)

生きたい [DVD]出版社/メーカー: 角川映画発売日: 2001/10/10メディア: DVD クリック: 18回この商品を含むブログ (8件) を見る レンタルDVDで、新藤兼人監督の『生きたい』を見る。 何年か前、『石内尋常高等小学校 花は散れども』(2008年)をみて、演出…

佐々部清監督『ツレがうつになりまして』(2011年)

ツレがうつになりまして。 スタンダード・エディション [DVD]出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2012/04/13メディア: DVD クリック: 28回この商品を含むブログ (49件) を見る ロード・ショーのときに見逃してしまい、こんどDVDで見ましたが、おもし…

原田眞人監督『わが母の記』(公開中)

松岡錠司監督の『東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン〜』のような涙涙涙の映画だったらいやだなあ、とおもいながら映画館へいきましたが、同じ母ものでも、ぜんぜんちがいました。 主人公の作家を演じる役所広司は抑制的でいいですし、だんだんボケて…

ジョナサン・リーベスマン監督『タイタンの逆襲』(公開中)

ギリシャ神話ものが好きなので、見にいく。3D映画。 東武練馬の映画館で見た。 なんだかよくわからないまま、全編にわたって怪獣と、神と人間の子、ペルセウスの壮絶な闘いが続く。 映画が創りだす想像力の世界はすごいなあ、とおもいながらも、しかし、怪獣…

大根仁監督『モテキ』(2011年)

モテキ DVD通常版出版社/メーカー: 東宝発売日: 2012/03/23メディア: DVD購入: 1人 クリック: 23回この商品を含むブログ (97件) を見る 映画が公開になったときから好評だったので、内容的には興味がわかなかったけど、気にはなっていて、DVDでやっと見た。 …

伊藤大輔監督『王将』(1948年)

王将 [DVD]出版社/メーカー: 角川エンタテインメント発売日: 2007/09/28メディア: DVD購入: 1人 クリック: 31回この商品を含むブログ (21件) を見る 実在した関西の棋士、坂田三吉の物語。この映画を見る前から、村田英雄の歌や何かで、おおよそのことは知っ…

フィリダ・ロイド監督『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(公開中)

ひさしぶりに、メリル・ストリープの濃厚な演技を堪能した、というかんじがしました。全編メリル・ストリープです(笑)。 ただ作品全体としては、どうでしょうか? マーガレット・サッチャーが、政治家として、首相として、どういう政策をしようとしたのか…

園子温監督『冷たい熱帯魚』(2010年)

冷たい熱帯魚 [DVD]出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)発売日: 2011/08/02メディア: DVD購入: 2人 クリック: 98回この商品を含むブログ (111件) を見る ずっと気になっていた映画でしたが、残虐なシーンがあるような予感がして、見るのを見送っていました。 …

スティーヴン・ダルドリー監督『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(公開中)

愛する人を失った事実を受け入れるのは誰にとっても容易な事ではない。ある日突然、理不尽に奪われてしまった命なら尚の事だ。ツインタワー崩壊と共に父との別れを余儀なくされた知的で繊細な少年の喪失と再生の道程を描いた本作は、ジョナサン・サフラン・…

ギャレス・エドワーズ監督『モンスターズ/地球外生命体』(2011年)

モンスターズ / 地球外生命体 [DVD]出版社/メーカー: 東宝発売日: 2011/11/25メディア: DVD クリック: 15回この商品を含むブログ (18件) を見る ★ カンヌ国際映画祭で上映された途端世界中で話題となり、タランティーノ、ピーター・ジャクソン、リドリー・ス…

渋谷実監督『本日休診』(1952年)

本日休診 [DVD]出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ発売日: 2008/06/27メディア: DVD購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (4件) を見る 原作は、井伏鱒二。 町の小さなお医者さんの周辺に起こる出来事を、軽妙なタッチで描いている。 一般に悪役の…

今井正監督『にごりえ』(1953年)

にごりえ [DVD]出版社/メーカー: 新日本映画社発売日: 2004/10/22メディア: DVD クリック: 52回この商品を含むブログ (11件) を見る 「山田洋次監督が選ぶ100本」は、どれもいいので、見たことがないものは、録画してできるだけ見るようにしている。これも録…

再見〜山下敦弘監督『マイ・バック・ページ』(2011年)

[rakuten:ambitious-1:10177208:image] 封切りで見た作品。DVDレンタルに出たので、見直す。 映画館で見たときから、妻夫木聡の繊細な演技に惹かれたが、今回見直して、よりその思いを強くした。 表情の小さな変化で、感情の戸惑いや屈折感を表現してすば…

あの人に会いたい〜志賀直哉

「自分は見かけの悪い家だが、見かけのいい安普請の家よりいいとおもう」 この言葉は、志賀直哉の自分の小説への自己評価だ。「小説の神様」ともいわれた直哉だが、けしって器用な作家ではなかった。 康子(さだこ)夫人は、尾崎一雄に<尾崎さん、志賀は小…

島津保次郎監督『兄その妹』(1939年)

「山田洋次監督が選んだ100本の映画」の放送を、録画してみる。 この日(1月21日)は、朝、ワーナーマイカル板橋で『月光ノ仮面』を見て、がっかりしていたので、口直しというか、映画の素晴らしさを、この古い作品から教えられた。 これが昭和14年の作品?…

板尾創路監督『月光ノ仮面』(公開中)

何か新しい映画を見ようと、とおもってネットを検索し、新鮮な表現との出会いを期待して映画館へいったら、失望した。 おもわせぶりは、おもわせぶりのままで、見終わって愕然とした。ラスト・シーンの悪ふざけは、悪質としかいいようがない。 映画館で見る…