かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

2006-01-01から1年間の記事一覧

日本の古いひとのことばかり読んでいます(笑)

■永井啓夫(ながい・ひろお)著『三遊亭円朝』 本文だけでも2段組300頁近くある本格的な伝記です。資料的に整理して、三遊亭円朝の周辺を後世に残そうという意図からか、円朝と交流のあった人物までも、詳しく紹介しております。それが、逆にはじめて三遊亭…

溝口監督『雨月物語』(1953年作品)

脚本:川口松太郎、依田義賢 撮影:宮川一夫 出演:森雅之(源十郎)京マチ子(若狭)、田中絹代(若木) ●映画のストーリー 時代は、戦国時代。町も村も戦闘がたえない。陶器家の源十郎(森雅之)は、ある城下で美しい姫若狭(わかさ=京マチ子)と遭遇し、…

ジム・ジャームッシュ監督『ブロークン・フラワーズ』

2005年アメリカ作品 出演: ビル・マーレイ、ジェフリー・ライト、シャロン・ストーン 、ジェシカ・ラング まずは「allcinema online」の解説を先に見てください。 鬼才ジム・ジャームッシュ監督がビル・マーレイを主演に迎えて贈る哀愁漂うオフビート・コメ…

新藤兼人監督『ある映画監督の生涯』(1975年作品)

新藤兼人監督がつくったインタビュー構成による溝口健二監督の映画です。この作品を見るのは2度目ですけど、やっぱりおもしろかったです。以前見たときは、まだここでインタビューに登場してくる人たちも若くてお元気だったとおもいますが、制作から31年経っ…

雑誌『大人のロック!』からもう少し抜書き

先日書店にはいったら、「大人のロック!」という雑誌で、エリック・クラプトン、ビートルズ、ザ・フーの特集があったので、購入しました。 個人的には、待ちに待ったザ・フーのニュー・アルバムが出るということがわかり、さらには日本を含むツアーのことも…

加藤廣著『信長の棺』

久しぶりに長編歴史小説(412頁)を読みました。むかしから信長ファンだった友人から薦められてですけど、実際にこの小説は、おもしろかったです。「本能寺の変」では、一般に、信長は本能寺の炎の中で切腹したことになっていますが、不思議なことに、明智光…

ボブ・ディランのニュー・アルバムが発売!

ボブ・ディランが通算44枚目のアルバムを出しました。前作『ラヴ・アンド・セフト』から5年目になります。5年の空白を感じたかというと、やっぱり感じたことは感じましたけど(笑)、ここ数年ボブ・ディランの話題はにぎやかで、ロックを語るとき、やはりディ…

ザ・フーのニュー・アルバムは10月発売!

本屋さんで音楽雑誌を見ていたら『大人のロック!』に、ザ・フーの新しいアルバムが10月発売のこと、さらに日本を含むワールド・ツアーが始まりそうなこと、が出ていました。いつ出るかいつ出るかと待っていたザ・フーのニュー・アルバムがまもなく聴けます…

川島雄三監督『雁の寺』(1962年作品)

原作:水上勉 出演:若尾文子、三島雅夫、高見国一 こちらの「角川エンタテインメント」が、この作品の内容を詳細に説明しております。これに付け加えることはあまりありませんが……。 夜な夜な繰り広げられ住職(三島雅夫)と、新しくやってきた若い妾(若尾…

川島雄三・成瀬巳喜男共同監督『夜の流れ』

まずはringoさんが、こちらで詳しく作品について触れています。そのコメントとしてアップしました。 ringoさんが触れているように、成瀬巳喜男監督の「流れる」を連想するような映画でした。置屋をきりもりする山田五十鈴(こちらは頼まれマダムだが)の役割…

現代語訳『徒然草』〜1

吉田兼好のことをざっと知りたいとおもって、現代語訳で『徒然草』を通読してみました。無知を承知で全体の印象をいいますと、「訳知りの口うるさいご隠居」という印象でした。こういうひとが隣人にいると、頼りにもなりますが、口やかましくてちょっとうっ…

原民喜『ガリバー旅行記』

この本を読むきっかけになったのは、taishihoさんのブログの紹介でした。 【注】:taishihoさんのブログは、こちら。 本の表紙を見ると著者名は、原作者のジョナサン・スイフトではなく、原民喜となっています。奥付もそうで、本の後ろの解説を読んでみない…

フェルナンド・メイレレス監督『ナイロビの蜂』

2005年イギリス映画 出演:レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ 映画の内容は、かなり複雑なので「allcinema online」から借用します。 冒険小説の巨匠ジョン・ル・カレの同名ベストセラーを、「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレス監督で…

ジョージ・クルーニー監督『グッドナイト&グッドラック』

2006年アメリカ映画 出演:ジョージ・クルーニー、デヴィッド・ストラザーン 時代は、マッカーシー議員による「赤狩り」が吹き荒れるアメリカ1953年。マスコミへの言論弾圧に真っ向から闘ったニュース・キャスター、エド・マロー(デヴィッド・ストラザーン…

アルバム『ビートルズ・フォー・セール』(日本発売1965年春)の想い出〜ringoさんへのコメントに代えて

【写真】:『フォー・セール』の中扉の写真。これがビートルズのオリジナル・アルアムでは、はじめての見開きジャケットではなかったでしょうか。 【注】:ringoさんのブログはこちらへ 『ビートルズ・フォー・セール』の頃、ぼくのビートルズ熱は最高点に達…

ブライアン・シンガー監督『スーパーマン リターンズ』

【写真】:新しく登場した、スーパーマンとロイス・レイン 2006年アメリカ映画 出演:ブランドン・ラウス 、ケヴィン・スペイシー 、ケイト・ボスワース 小さな頃からのヒーロー、スーパーマンが還ってきたというので、早速見てきました(笑)。スーパーマン…

美しい人妻が狂乱するとき(笑)

一体何を書くのかというタイトルですけど、実はそれほどあやしい内容ではありません。このところ重い話題がつづいているので、ちょっと軽めの話をアップいたします(笑)。 でも、男性にとってはあまり軽くないかな? 美しく気品のある人妻が、あることから、…

伊藤たかみ「八月の路上に捨てる」

町の本屋さんを見ていたら、『文藝春秋9月号』が芥川賞を発表していたので、買って読んでみました。むかしは、読書といえば大半が小説でしたが、最近は小説を読む割合が減りました。以前芥川賞の受賞発表と同時に読んだのは、話題になった最年少の女性作家二…

財産も地位も安定も捨てて生きた良寛

中野孝次の良寛本2冊 『良寛に会う旅』(春秋社) 『良寛の呼ぶ聲』(春秋社) 良寛は、倉敷市玉島の円通寺に22歳から修行する。良寛がこの寺で何年修行したかは、明らかではないらしいが、中野孝次氏は、円通寺の師である国仙和尚が亡くなるまでとしても、3…

『キリング・フィールド』の背景(tougyouさんのブログを読んで)

tougyouさんのブログは、こちらです。できれば先にお読みになってください。 tougyouさん、映画『キリング・フィールド』の詳細な解説ありがとうございます。これだけの背景の説明は、映画ではできません。もしやったら説明過多で、作品のクオリティーが犠牲…

ローランド・ジョフィ監督『キリング・フィールド』(ビデオ)

1985年イギリス 出演:サム・ウォーターストン、ハイン・S・ニョール、ジョン・マルコヴィッチ 国際状況の背景がわかっていないので、虐殺の事情がよくわかりませんでした。現地人の新聞記者が、囚われ、暗い画面のなかで捕まって縛られたり、また助けられ…

不愉快な出来事

朝帰省先の実家で、テレビをつけたら小泉首相の「靖国参拝」のニュースをやっていました。予想はしていましたが、やっぱり不愉快で、すぐテレビを消しました。「飛ぶ鳥跡を濁さず」ということわざがありますが、それどころか、後ろ足で、日本国民とアジアの…

ジャック・ベッケル監督『モンパルナスの灯』(DVD)

1958年フランス 出演:ジェラール・フィリップ、アヌーク・エーメ、リノ・ヴァンチュラ モディリアーニを実名で描いた作品。ぼくは、モディリアーニのことをほとんど知りません。二枚目俳優ジェラール・フィリップが演じるように、モディリアーニ自身もかな…

山田洋次監督『男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎』(ビデオ)

1983年、シリーズ第32作。 マドンナ=竹下景子 時間がしばらく経ってくると、寅さんと会いたくなります。渥美清が亡くなってから、思い出すように時をおいて、寅さんの映画を見ています。さすがにもう何度か見ているものばかりなのですが、48作品のあれやこ…

リンゴ・スター&ヒズ・オール・スター・バンド2003

先日、12年間の軌跡を編集したライヴ映像を楽しみましたが、こちらは2003年のライヴ。リンゴは今年の夏、アメリカで最新のオール・スター・バンドのツアーをやっているので、このライヴはその前回になるのだ、とおもいます。 メンバーは以下の通りです。 リ…

スティーヴン・ウーリー監督『ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男』

気になってしかたがなかった映画を見てきました。おそらくローリング・ストーンズが描かれた、はじめての劇映画ではないでしょうか。まだ公開されたばかりなので、あまり多くの情報は慎みます。でも、ぼくの個人的な感想として聞いてください。 【写真1】:…