かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

2010-01-01から1年間の記事一覧

シャウトするビートルズ!!

1964年の春、ビートルズの「ツイスト&シャウト」がラジオから流れてきた。 誰が歌っているのか、どういうバンドなのか、何もわからなかったが、強烈なシャウトと叩きつけるようなビートにしびれた。 ビートルズがかかりそうなベスト・テン番組を探して、「…

ルイ・マル監督『死刑台のエレベーター』(1957年)

何度か見ているけど、なぜかいつも内容を忘れてしまう古典的サスペンス映画。 いっそエレベーターに封じ込められた主人公の何時間かを、リアルタイムで描いてくれたほうが、おもしろそうだ、とおもう。 エレベーターに閉じ込められた主人公は、殺人を犯した…

エリック・クラプトン「ダブル・トラブル」

バター・フィールズ・ブルース・バンドをクルマのなかで聴く。 このなかにオーティス・ラッシュをカバーした「ダブルトラブル」という曲がはいっている。 70年代のころ、エリック・クラプトンのライブで見て、とても感激した曲だった。 クラプトンのオリジナ…

小池静子著『柳宗悦を支えて 声楽と民藝の母・柳兼子の生涯』

柳兼子のことも柳宗悦(やなぎ・むねよし)のことも、それほど知らなかったのでおもしろく読んだ。 民藝運動の創始者・柳宗悦と声楽の母・中島兼子の結婚。 芸術への強い愛を持つ二人の結婚は、理想的な夫婦誕生のようにも、想像された。しかし、宗悦は強大…

エリック・クラプトン、ジェフ・ベックがカバーしたブルース・ギタリスト〜フレディ・キングの演奏

ぼくは、三大キングといわれるなかで、アルバート・キングとB.B.キングのライブは見ることができたが、1976年に42歳で亡くなってしまったフレディ・キングのステージは、生で見ることができなかった。 エリック・クラプトンがジョン・メイオール&ブルースブ…

山田洋次監督『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』(1988年)

寅さんシリーズ40作目。全48作のなかで、シリーズとしては終盤に近くなっているけれど、寅さんはまだまだ元気だ。 満男は、大学の受験生。マドンナは、三田佳子で、女医さんを演じている。 寅さんは、小諸を旅して、この女医さんと知り合う。 ★ 小諸といえば…

桐野夏生著『東京島』

32人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても、無人島に助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。 果たして、ここは地獄か、楽園か? いつか脱出できるのか――。欲を剥き出しに生に縋りつく人間たちの極…

中島哲也監督『告白』(上映中)

まず最近読んだ原作がおもしろかった。 小説じたいがおもしろく完結している。 だから、映画化はむずかしいような気がしてしまうのだが・・・監督が『下妻物語』の中島哲也であるとすれば、話は別だろう。 この監督が、原作をただリアリズムでなぞるような映…

あれから20年〜ポール・マッカートニー初来日(1990年)

70年代、2度の来日中止で、もうポール・マッカートニーは日本には来れない、というあきらめのようなものがあった。 だから、1990年の3月に来日が決定しても、無事入国を確認するまで安心できなかった。 そんなファンの不安をよそに、ポールは来日した。 笑顔…

バリー・マクガイア「明日なき世界」(1965年)

ボブ・ディランが、エレキサウンドをバックに、歌うようになってから、明らかにそれに影響を受けたミュージシャンが登場するようになった。 ディラン直伝のダミ声で、核戦争前夜の恐怖を歌ったバリー・マクガイアも、そのなかのひとりだ。 この曲以外のバリ…

広津和郎の「散文精神について」

10代から、小説を読むのは好きでも、評論や批評のようなものは、あまり読まなかった。難解な表現が苦手で、読んでもわからなかった、ともいえるけど(笑)。 広津和郎の「散文の精神」は稀な例外で、書かれている意味が、ストレートに伝わってきた。 それは…

矢城潤一監督『ねこのひげ』(2005年)

『THE JUON/呪怨』などの大城英司が自身の経験を基に企画、製作、脚本、主演を務めた人間ドラマ。若くはない男女が恋に落ち、お互いの家庭を捨てて2人と猫1匹が同居生活を送る日常の風景を優しく映し出す。酒とタバコが必須アイテムの働く大人の女性を演じる…

話がもとへ戻らない(弟との会話から)

2ケ月に1度くらい、熊谷で弟(54歳)夫妻と会って、居酒屋で飲む。特に用らしい用もなく、たいていは世間話だが、たまに映画や音楽や本の話をする。 先日のこと。 弟は、阿川弘之の『志賀直哉』を読んだよ、という話をし、、、 「兄貴は、むかしね、志賀直哉…

寅さんとデイブ・クラーク・ファイブ『五人の週末』

山田洋次監督の寅さんシリーズ『男はつらいよ 旅と女と寅次郎』(1983年)を見直した。 旅先で寅さんが知り合ったのは、演歌のスター・京はるみ(都はるみ)。寅さんはまもなく、出会った女性がステージを抜け出してきた、演歌のトップ・スターだと知るが、…

燃えるような狂気を発散するリトル・リチャードのロックンロールが凄い!

1973年に公開された映画『ロックンロール エクスプロージョン』ではじめて見たときから、リトル・リチャードの異様ないでたちと、狂ったようなシャウトには圧倒された。 自ら「ロックンロールのキング!」と豪語するのも、納得! ポールが歌うビートルズのカ…

大森美香監督『プール』(2009年)

出演小林聡美、もたいまさこ、加瀬亮・・・となると、『かもめ食堂』や『めがね』の、ゆったり系路線だろうか、と自然おもってしまうけれど、見ると、やっぱりそのとおりで(笑)、ただし、監督はちがっている。 舞台がタイになっているけれど、それがどこか…

犬童一心監督『黄色い涙』(2007年)

つげ義春、辰巳ヨシヒロ、永島慎二・・・この3人のマンガ家を愛読していたころがある。 DVDの箱の説明を読んだら、これは永島慎二の、愛読した作品の映画化ではないか、とわかり、迷わず借りてみた。 ★ 阿佐ヶ谷の風呂なし木造<6畳>アパート(原作では、3…

ビートルズ探険隊で、ポール・マッカートニーが歌う楽曲NO.1の予選がはじまった!

楽曲の対象は、ビートルズ時代の公式曲のなかから。 予選第1回戦の対戦は、、、 ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア レディ・マドンナ ゲット・バック キャント・バイ・ミー・ラヴ ジ・エンド どれもそれぞれに想い出がある。でも、2つにしぼれば映画『ヤアヤ…

「白樺派と漱石」(武者小路実篤記念館)〜調布を散歩する

5月8日(土曜日)、渋谷のbunkamuraで「レンピッカ展」を見る。 先日新しくできた「三菱一号館美術館」へ「マネ」を見にいったが、入口に列ができて30分待ち、そのときは、やむなく退散した。今回も並んでいるようだといやだな、とおもったが、すんなり見れ…

「かあちゃんは、高峰秀子」(「ラジオ深夜便」から)

5月5日の深夜というか5月6日早朝というか、朝の4時から、斉藤明美さんがNHKの「ラジオ深夜便」に出演して、高峰秀子について50分ちかく話してくれた。 内容的には、先日読んだ『高峰秀子の流儀』に書かれていることと重なるので新しい発見はなかったが、斉藤…

湊かなえ著『告白』(2009年本屋大賞受賞作品)

妻から「おもしろいよ」といわれて読む。たしかに、おもしろい。最初の数ページくらい読むうちに、どんどん引きこまれた。 ★ 女教師森口悠子は、担任のクラスへ<教師を辞職することにしました>とお別れの挨拶をする。 彼女の小さな娘が、学校のプールで溺…

鬼才・増村保造と若尾文子特集(池袋新文芸座)

4月29日、極貧荘の近くからバスに乗り、赤羽へ。立呑み「いこい」で飲む。帰りは、電車で池袋へ出る。 「新文芸座」をのぞいてみると、「増村保造と若尾文子」の2本立てをやっていた。 夜から仕事なので、少し眠っておきかった。見ていて眠くなったら、その…

リンゴが歌う「慕情」を聴いたころ・・・

1970年、ぼくは、ビートルズが解散してから4人のソロ・アルバムを買った。 ポールの『マッカートニー』、ジョンの『ジョンの魂』、ジョージの『オール・シングス・マスト・パス』、そしてリンゴの『センチメンタル・ジャーニー』だ。 ポールとジョンとジョ…

溝口健二監督『名刀美女丸』(1945年)

戦いの際、刀が折れてしまい命を落とした恩師。恩師の娘に父の仇を討つため名刀を作ってほしいと頼まれるが、自分が献じた刀のせいで恩師が殺されたのも同然と思う刀鍛冶は名刀を作る自信がなかった。しかし、娘に励まされ名刀作りに打ち込んでいく…。 (「g…

「坊っちゃん」の面影〜夏目漱石のこと

もう詳細は忘れてしまいましたが、こんな話があります。 ★ 武者小路実篤の兄、武者小路公共(むしゃのこうじ きんとも)が何かの用があって、夏目漱石を訪ねた。そのときのことを公共は、後年回想している。 話のなかで、公共が、 「夏目さんのお書きになる…

ルイ・レテリエ監督『タイタンの戦い』(上映中)

愚かにも、『アバター』を、3Dでない通常スクリーンで見てしまいましたから、今度は意を決して3Dで見ました。なんと、今回がはじめての3D体験です。 いきなり海や岩が目前に迫ってくる・・・すごい迫力を堪能しました。もともと特撮映画が大好きなので、満足…

ジョンとポールが歌う、もうひとつの「Two Of Us 」(映画『レット・イット・ビー』から)

この二人、バンドが危機に瀕していたといわれる時期に、なんと楽しそうな。いわれるほど、いつもいつも冷え切った関係であったわけでもないのだろう。 バンドをやっていればビートルズに限らず、音楽上の意見の相違が生じるのはあたりまえだ。ビートルズはひ…

是枝裕和著『花よりもなほ』

tougyouさんのこちらのブログを読んだのが、原作の小説を読むきっかけになりました。 父の「仇討ち」ができないほど、武道のダメな武士が、「仇討ち」などどうでもよくなり、新たに自分の生きる幸せを発見していく、というような物語ですが、映画同様、小説…

還暦の家族旅行(4月17日)

妻の還暦祝いの話がすすんで、家族旅行をすることになる。長男(29歳)、長女(26歳)、妻、私の4人。子供が成人してから、家族4人で旅行するのは、はじめてだ。 泊るのは、福島の土湯温泉。 ところが4月17日は、季節はずれの雪。スタートからつまずいた。東…

還暦の家族旅行(4月18日)

朝からまぶしいくらい良い天気になっていた。温泉にはいってから、宿の近くを、娘のReiと散歩する。 ★朝、土湯温泉の町を散歩する ★ 10時頃出発。福島駅のパーキングへクルマを停め、直行バスで花見山公園へいく。 「桃源郷」といわれるくらいに、ここに咲く…