かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

2008-01-01から1年間の記事一覧

谷口千吉監督『銀嶺の果て』(1947年)

脚本:黒澤明 出演:志村喬、三船敏郎、小杉義男、河野秋武、若山セツ子 ringoさんがまとめて貸してくださったなかの1作で、意外ということはもちろんありませんけど、想像以上におもしろかったのがこの作品でした。 三人の強盗が、雪山の中に逃げ込む。山…

ジョージ・ハリスン2001年11月29日没(享年58歳)

あれからもうすぐ7年です。早いなあ。「ビートルズ探検隊」のみなさんと突然の死を悲しんだのも、もう7年前なんですね。 ビートルズ時代からソロになっても、このひとの姿は、ぼくのなかで、つねに大きく存在していました。いつの時代も、そのときそのとき…

廣木隆一監督『ヴァイブレータ』(2003年)

原作:赤坂真理 脚色:荒井晴彦 出演:寺島しのぶ、大森南朋 2003年のシナリオを集めた本に、山下敦弘監督の『ばかの箱舟』がはいっていたので、図書館で借りてきて読む。そのなかに、この『ヴァイブレータ』も収録されていた。シナリオを読み、それから、映…

里見弴と内田百閒

里見弴は、半角で「弴」と書けば「弴」と漢字が変換され、内田百閒は、「百閒」と半角で書けば、「百閒」となるようです。 このうれしい情報を、こちらのサイトで知りました。漢字が正しく変換されない長年の問題が解決され、す…

近代文学館の「志賀直哉をめぐる人々展」を見る(10月30日)

個人タクシーの模擬試験を受けに、井の頭線の東大駒場前駅へいく。受付開始の14時まで1時間ほど時間があったので、散歩をかねて、近代文学館へ。 そこで、、、 まったく偶然だが、「志賀直哉をめぐる人々展」をやっていた。模擬試験がこの駅であった幸運をよ…

川島雄三監督『洲崎パラダイス・赤信号』(1956年)

原作:芝木好子 脚色:井手俊郎、寺田信義 出演:新珠三千代、三橋達也 東京のことをよく知らないので、洲崎とはどこのことなのかわからないまま映画を見ていましたが、「ウィキペディア」で調べてみると、、、 洲崎(すさき)は、東京都江東区東陽付近の旧…

ちょっと酔ってしまってすみません。

先日見た、川島雄三監督の『洲崎パラダイス・赤信号』は、すごくよかったです。川島雄三作品のなかで、指折りのものだとおもいました。いま、その感想を書きたいのですが、酔って頭が働きません(笑)。 それで、いただいたコメントの御返事も、またみなさん…

川本三郎「物哀しさの詩情」(つげ義春論)

川本三郎の単行本『青の幻影』に収録。 「つげ義春の人と作品」を川本さんが的確に説明してくれる。 目立つことを極端に嫌うつげ義春にとっては、時代から取り残されてしまったような場末の裏通りや路地は、むしろ身を隠すのに心地いい場所である。やるせな…

川越祭り(10月19日)

1週間ぶりに川越へ帰る。 ちょうど、この日は川越祭りで、先日見た、佐原のお祭りの映像が頭にあったので、駅前で一杯飲んでから、家とは反対方向の、街の中心へ歩いてみる。 本川越駅のあたりは、露店が並び、若い見物客であふれていた。彼らは、何か食べた…

千葉県佐原市を歩く(10月16日)

仕事明け、天気があんまりいいので、千葉県の佐原市へいってみることにする。 会社のある京成関屋駅から京成線の特急で成田駅まで約1時間。ここでJR成田線に乗換えるため、駅を出て、駅の周辺を少し歩いた。成田山新勝寺は、佐原からの帰りにでも寄ってみる…

木下恵介監督『笛吹川』(1960年)

原作:深沢七郎 脚色:木下恵介 出演:田村高廣、高峰秀子 ★★★ 戦国時代、甲斐の国。 笛吹川にかかる木橋のそばに、藁葺屋根の貧しい一軒の百姓家がある。 彼らの息子は、侍の出世を夢見、武田晴信のもとへ出仕し、やがて討ち死にする。 晴信は、信玄となり…

木村恵吾監督『初春狸御殿』(1959年)

脚本:木村恵吾 出演:若尾文子、市川雷蔵、勝新太郎ほか 鈴木清順監督『オペレッタ狸御殿』ではありません。しかし、おもしろさは、圧倒的に木村恵吾監督の『初春狸御殿』に軍配があがります。 絢爛豪華、次々変化するセットの美しさ、歌い踊る女性たちの、…

行田の忍城と吹上のコスモス畑へ寄る(10月12日)

10月11日夜。熊谷の「鈴なり」で弟夫妻とあう。 いつも参加してくれる、SFファンのYさんにも声をかけてあったが、最近医者から「アルコール禁止宣言」が出たそうで、今回は不参加。明るくSFで哲学を語るYさんのいないのは、寂しい。Yさんは、わたしたちの…

コメントの御返事や訪問ができなくてすみません

10月13日は、パソコンに向かう時間がとれそうなので、みなさんのブログへ訪問したり、コメントの御返事をしようとおもいます。不在のなか、たくさんのコメントありがとうございます。

赤羽の旧岩淵水門を散歩する(10月7日)

朝、赤羽の立呑み「いこい」へ向いながら、このまま朝から酒を飲んでしまうのは惜しいような気がした。 そこで以前「いこい」で飲んでから、行こうと思って道に迷い、ついにたどりつけなかった、荒川の旧岩淵水門まで歩いてみることにする。 赤羽駅から20分…

10月3日、従妹と鎌倉を歩く

逗子の伯父さんの全快祝いを兼ねて、叔母、従妹、弟、わたしで、伯父の家へ泊まる約束をしていた。 到着は、みんなバラバラなので、わたしは、上野から従妹と行くことにした。 上野駅の中央改札に10時、従妹と会う。そこから、東京駅へいき、横須賀線へ乗り…

ジョン・レノン68歳(10月9日)〜ビートルズ編

伝説と虚飾にまみれたジョン・レノンではなく、愛と平和の伝道師でもない、<素>のままのジョン・レノンを追想しましょう。 ★★★ アンナ(1963年) ○23歳にして、この声だものなあ。ソウル・シンガー、アーサー・アレキサンダーのカバー。ジョンのヴォーカル…

黒澤明監督『蜘蛛巣城』(1957年)

[DVD]" title="蜘蛛巣城 [DVD]">蜘蛛巣城 [DVD]出版社/メーカー: 東宝発売日: 2007/11/09メディア: DVD クリック: 27回この商品を含むブログ (26件) を見る 製作:黒澤明、本木荘二郎 原作:ウィリアム・シェイクスピア 脚本:小国英雄、橋本忍、菊島隆三、…

島村利正『奈良飛鳥園』

奈良飛鳥園作者: 島村利正出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1980/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る実在の人物、奈良飛鳥園の創設者、小川晴暘を主人公とする、実名小説です。端整な島村利正の文章が、最高の形で生きた傑作だとおもいまし…

松島哲也監督『ゴーヤーちゃんぷるー』(2005年)

jinkan_mizuhoさんのブログ<こちら>を拝見したのが、見るキッカケになりました。 都会の人間関係に傷ついた少女が、沖縄の素朴なひとたちとの生活で心を癒され、再び都会へ帰っていく、という話。 山田洋次監督の『学校』第1作も、そんな話だったような気…

ローリング・ストーンズ「リトル・レッド・ルースター」

ローリング・ストーンズの「リトル・レッド・ルースター」を聴いたのは、1964年でした。日本では、「テル・ミー」に次いで2枚目か3枚目に発売されたシングルだとおもいますが、この辺の記憶はハッキリしません。 「リトル・レッド・ルースター」は、歌という…

夏堀正元「虚構の死刑台〜小説・幸徳秋水」より〜続き(自分のためのメモ)

本からの抜粋。 日露開戦にむかってうわすべりしていく世論に敢然として抗して、反戦論を喧伝しようとする幸徳秋水(写真)と堺枯川(さかい・こせん)のたぎるような情熱は、退社後(注:を参照)1ヵ月の11月15日には『平民新聞』の発行となって結実した。…

夏堀正元著『虚構の死刑台〜小説・幸徳秋水』より

幸徳秋水は、日露戦争の当初、日本中が開戦の熱気に沸くなかで、徹底的な反戦論を説いた。 時を同じくして、ロシアのトルストイ(77歳)もキリスト信者の立場から非戦論を発表する。翻訳したのは、幸徳秋水と堺利彦である。 しかし、秋水は、同じ非戦を主張…

西川美和監督『蛇イチゴ』(2003年)

西川美和監督の、『ゆれる』の前作です。先にtougyouさんがブログで紹介されているのを見て(こちら)、さっそくレンタルしてみました。 是枝裕和がプロデュース、監督は『ゆれる』の西川美和。 この組み合わせ、となれば、つまらないわけがないですね。実際…

新藤兼人監督『狼』(1955年)

それぞれ金に困って生活に追いつめられた5人の男女が、保険外交員の就職試験を受けにくる。運良く合格、と思ったら、受験者の全員が合格している。 張り切って保険の勧誘に精を出してみたが、契約は一向にとれず、ますます生活状況は、厳しさを増すばかり。 …

新藤兼人監督『ふくろう』(2003年)

東北の奥に新しい開拓村が発売され、脱サラなどをした人たちが、ここへ入植してきたが、ここの土地は、不毛で、何も作物を育てることができなかった。入植者たちは、あきらめ、やがて去っていったが、最後まで残ったのが、大竹しのぶと伊藤歩の母娘。 髪はの…

中沢啓治著『はだしのゲン自伝』

あの「はだしのゲン」の著者の自伝です。これを読んで、マンガ「はだしのゲン」が、ほとんど事実そのままに近い作品だ、ということを知りました。 「はだしのゲン」は、マンガというわかりやすい表現だけに、世代を超えて、多くのひとに(外国に翻訳もされて…

リメイク版、コナン・ドイルの名作「失われた世界」(2002年)

製作国:イギリス 原作:アーサー・コナン・ドイル 監督:スチュアート・オーム、スチュアート・オルメ 出演:ボブ・ホスキンズ ピーター・フォーク トム・ウォード ジェームズ・フォックス エレイン・キャシディ マシュー・リース コナン・ドイルの名作を、…

イングマール・ベルイマン監督『不良少女モニカ』(1953年)

[rakuten:mammoth-video:10002679:image] 【注】:「goo映画」の情報では製作年が1953年ですが、他のサイトでは1952年となっているものもあります。一応ここでは「goo映画」のとおり、1953年としました。 製作国:スウェーデン 脚本:イングマール・ベルイマ…