かぶとむし日記

映画、音楽、本の感想を中心に日記を更新しています。

読書

ホームズ『緋色の研究』と、映画『月と雷』と、立憲民主党枝野氏の街頭演説(10月21日)。

10月21日、土曜日。テアトル新宿へ、安藤尋(あんどう・ひろし)監督の『月と雷』を見にいく。 早く着いたので、映画館の向かい側の喫茶店「ルノアール」で、コナン・ドイルのホームズもの第一回作品、『緋色の研究』(電子書籍)を読む。小学生のころ、少年…

黒澤明監督『蜘蛛巣城』と原作『マクベス』。

シェイクスピア『マクベス』を、安西徹雄訳で、ひさびさに読んでみる。豊穣な言葉の応酬に感心しながら読了。そして、いつもそうだが、わたしの場合、『マクベス』を読むと、これを翻案した黒澤明監督『蜘蛛巣城』を見たくなる。 ★ 近くのTSUTAYAで、『蜘蛛…

川本三郎著『荷風と東京下』を読む。

荷風と東京(下) 『断腸亭日常』私註 (岩波現代文庫)作者: 川本三郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/10/16メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (7件) を見る 永井荷風の日記『断腸亭日乗』は、拡張高い文語体で綴られているので、これを…

『狂うひとー「死の棘」の妻・島尾ミホ』読了(6月17日)。

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ作者: 梯久美子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/10/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (32件) を見る 梯久美子(かけはし・くみこ)著『狂うひとー「死の棘」の妻・島尾ミホ』を、読了。 ★ 島尾ミホは、島尾…

藤本国彦著『ビートル・アローン』を読む。

BEATLE ALONE (ビートル・アローン)作者: 藤本国彦,Jerry出版社/メーカー: ミュージックマガジン発売日: 2017/04/18メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る このところビートルズ関連の本をいくつか買い込んだ。でも、判型が大きく、厚いものが多…

岡村幸宣著『<原爆の図>のある美術館』を読む。

《原爆の図》のある美術館――丸木位里、丸木俊の世界を伝える (岩波ブックレット)作者: 岡村幸宣出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2017/04/06メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る 埼玉県の東松山市にある「丸木美術館」へは…

桐野夏生著『バラカ』を読む。

バラカ作者: 桐野夏生出版社/メーカー: 集英社発売日: 2016/02/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る 東日本大震災を素材にした壮大な構成をもつ小説。おもしろくて、読むのが遅いほうなのに、電子書籍で一気に読んだ。東日本大震災を題材に…

武者小路実篤著『友情』と『愛と死』を読む。

直木孝次郎著『武者小路実篤とその世界』を読んだのをきっかけに、武者小路実篤著『友情』と『愛と死』を読み返してみた。『武者小路実篤とその世界』は、研究書と思い出の記がまじったような1冊で、興味深く読ませていただいたけれど、感想はあらためて後日…

原作『沈黙』と映画『沈黙』。

沈黙 (新潮文庫)作者: 遠藤周作出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1981/10/19メディア: 文庫購入: 26人 クリック: 337回この商品を含むブログ (279件) を見る マーティン・スコセッシ監督の『沈黙』を見て、なにかものたりない気がしたので、原作になっている…

森絵都著『みかづき』を読む。

みかづき作者: 森絵都出版社/メーカー: 集英社発売日: 2016/09/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (18件) を見る ネットか何かでおもしろいという情報を知って、電子書籍で読んでみる。三世代にわたる大河小説で、素材は教育というか塾経営者の話、と…

三浦綾子著『母』を読む。

母 (角川文庫)作者: 三浦綾子出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1996/06/01メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (21件) を見る 電子書籍で、三浦綾子著『母』を読む。山田火砂子監督、寺島しのぶ主演で、2月25日から『母ー小林多喜二の母』が…

阿川弘之『雲の墓標』を読む。

雲の墓標 (新潮文庫)作者: 阿川弘之出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1958/07/22メディア: 文庫 クリック: 8回この商品を含むブログ (13件) を見る 20代の頃読んだ、阿川弘之『雲の墓標』を再読し、国家暴力の恐ろしさを考える。この小説に登場する学生は、海…

湯浅学著『21世紀のボブ・ディラン』から。

ボブ・ディランの21世紀 (CDジャーナルムック)作者: 湯浅学出版社/メーカー: 音楽出版社発売日: 2016/12/08メディア: ムックこの商品を含むブログ (2件) を見る ボブ・ディランを50年以上聴いてきたけれど、このひとはわからないことが多い。というより、ほ…

夏目漱石著『硝子戸の中』に描かれた大塚楠緒子。

硝子戸の中 (新潮文庫)作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1952/07/22メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (35件) を見る 年末ひさしぶりに夏目漱石の『硝子戸の中(うち)』を読み直してみた。静かな心境で綴る淡々とし…

年末に『No Nukes ヒロシマ ナガサキ フクシマ』を読む。

メッセージ&フォトブック No Nukes ヒロシマ ナガサキ フクシマ作者: 『No Nukes ヒロシマナガサキフクシマ』編集部出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/04/16メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 今年最後に読んだ本。見開き2ページに、学生をはじ…

阿川佐和子著『強父論』を読む。

強父論作者: 阿川佐和子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/07/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (10件) を見る 父・阿川弘之を、その娘が回想した本ということになるけれど、そこは阿川佐和子さんが書いたものだから、月並みに父を思慕する本に…

是枝裕和著『映画を撮りながら考えたこと』を読む。

映画を撮りながら考えたこと作者: 是枝裕和出版社/メーカー: ミシマ社発売日: 2016/06/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る ハード・カバーで、400頁を超えるヴォリューム。でも、分量以上に、内容がすごい。是枝裕和監督が自分のこれまで…

川本三郎著『東京抒情』を読む。

東京抒情作者: 川本三郎出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2015/12/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 川本三郎さんの「東京」について書かれた本はどれもおもしろい。著者の感性が好きだから、ひとつひとつに共感してしまう。 変わる東京…

「トットてれび」と『窓際のトットちゃん』

満島ひかり主演の「トットてれび」がおもしろくて、毎週たのしみに見てる。土曜日に予定があって家にいないときは、あらかじめ録画してもらっておいて、家に帰ると真っ先に見てしまう。もともと満島ひかりは好きな女優のひとりだったけれど、このトットちゃ…

原節子の伝記を2冊読む。

原節子(1920年ー2015年)の伝記本を2冊読んだ。 ひとつは、貴田庄著『原節子物語 若き日々』。原節子物語 若き日々 (朝日文庫)作者: 貴田庄出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2016/03/07メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見るデビュー当時の…

戌井昭人著『俳優・亀岡拓次』がおもしろい。

俳優・亀岡拓次 (文春文庫)作者: 戌井昭人出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/11/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る 横浜聡子監督の映画『俳優・亀岡拓次』がおもしろかったけれど、その原作もたのしい。電子書籍でも読める。戌井昭人…

阿川弘之著『志賀直哉 下』を読む。

志賀直哉〈下〉 (新潮文庫)作者:阿川 弘之新潮社Amazon 途中あいだがあいたけど、阿川弘之の『志賀直哉 下』を読了。「下」は、「上」以上に登場人物は豊富だ。上巻では、志賀直哉の祖父、祖母、父、義母など肉親や、雑誌「白樺」の交友関係などが描かれてい…

滝口悠生「死んでいない者」を読む。

死んでいない者作者: 滝口悠生出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/01/28メディア: 単行本この商品を含むブログ (11件) を見る どういうきっかけか忘れてしまったが、滝口悠生さんの作品は、『寝相』、『愛と人生』を単行本で、『ジミ・ヘンドリクス・エ…

阿川弘之著『志賀直哉 上』を読む。

志賀直哉〈上〉 (新潮文庫)作者: 阿川弘之出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1997/07/30メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (7件) を見る 阿川弘之の『志賀直哉』は、岩波の図書に連載中、毎号取り寄せて読んでいた。その後単行本にな…

高井有一著『この国の空』を読む。

この国の空 (新潮文庫)作者: 高井有一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/04/30メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る 荒井晴彦監督、二階堂ふみ主演の映画『この国の空』の原作(タイトルは同名)を、電子書籍で読む。二階堂ふみの演じた里子…

吉田秋生作『海街diary 7 あの日の青空』を読む

映画『海街diary』が公開されてからあと、はじめて原作のコミックの新刊『海街diary 7』が発売された。予約してあったので、さっそく読む。この1年間、ずっと映画のなかの4姉妹に接してきたので、コミックの4姉妹と久々に再会。 海街diary 7 あの日の青空 (…

澤地久枝著『男ありて 志村喬の世界』(文芸春秋)を読む。

年末・年始にかけて、二つの伝記本を読んだ。松田美智子著『サムライ 評伝 三船敏郎』と、澤地久枝著『男ありて 志村喬の世界』。どちらも知らないことばかりで、おもしろかった。 で、今回は澤地久枝著『男ありて 志村喬の世界』について。 男ありて―志村喬…

小栗康平監督『FOUJITA』を見る(11月14日)

11月14日土曜日、雨。新宿武蔵野館へ、小栗康平監督の新作『FOUJITA』を見にいく。 上映の10時15分まで時間があったので、近くのスター・バックスで、小林節と佐高信(さたか・まこと)の対談本、『安倍「壊憲」を撃つ』を読了。小林節というひとは、自信が肥…

志賀直哉が山手線にはねられた日の日記。

志賀直哉は、1913(大正2)年8月15日、山手線にはねられた。その日の日記がある。 八月十五日(金) 病院。かへって、「出来事」了ひを書き直して出来上がってひるね。 伊吾来る。起きてそれを読む。将棋をする。晩、散歩に出る。芝浦の埋立地に行く 水泳を…

奥田英朗著『沈黙の町で』を読む。

沈黙の町で作者: 奥田英朗出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2013/07/02メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 家人が「読みおわるのがもったないくらいおもしろいよ」というので、電子書籍で読んでみる。 ★ 中学2年の男子生徒が部室棟の屋上か…